翠色(すいしょく)とは、漢字で「翡翠(ひすい)」と書くカワセミの羽の色に由来する緑色。
オスのカワセミは「翡」、メスのカワセミは「翠」で、2つの漢字を組み合わせると
「翡翠」(ひすい)になります。
宝石の「翡翠」は、カワセミの羽の色を思わせることから名づけられたといわれています。
若竹色(わかたけいろ)とは、新しく生え出たばかりの、若い竹の幹の表面の色に由来します。
若竹色に比べて、くすんで鈍い色調の緑は「老竹色」(おいたけいろ)と呼ばれます。
「若」は若々しくて新しいという意味から鮮やかさの形容としても用いられました。
緑は、暖かさも冷たさも感じない中性色に分類されます。気持ちをコントロールさせ、情緒を安定させたいとき、
ストレスを減らしたいとき等に適した色です。
薄柳(うすやなぎ)とは、柳色(lg-3YG)と比べ、淡い若葉のような色です。平安時代の衣装にもある色です。
柳は春の季語にもなっているように、春風にゆらぐ枝は、とても幻想的な景色です。
一方、薄柳は「凶色」ともいわれています。
これは薄柳の淡く儚い色合いと、柳といえば幽霊がつきものといわれていることが関係しているようです。
色にはマイナスイメージをもつ場合がありますので、シーンに合わせて注意深く利用したいですね。
路考茶(ろこうちゃ)とは、「路考」の俳名をもつ歌舞伎役者 二代目 瀬川菊之丞が衣装に用いた色です。
瀬川菊之丞は、寛延から安政期に活躍した江戸の女形役者です。容姿にすぐれ、当時の江戸の人気を一身に集め、
「路考」と名の付くものが庶民に流行するほどでした。
dk-1Yはイエローアンダートンで、パーソナルシーズンカラー「ディープオータム」の人が身に着けるとカッコ良く着こなせる色です。
<今回のテーマ>
2020年を振り返って&2021年はどんな年にしたいかを「色」で表すとしたら?
調査研究委員会では、今回「2020年を色で表すと?」&「2021年はどんな色の年にしたい?」のアンケート調査を実施いたしました。
382名様にご回答いただきました。ご協力ありがとうございました。
各テーマの上位3色の結果をご報告いたします。
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「2020年を色で表すと?」
上位に選ばれた、「グレー」・「紫」・「黄」については、その理由からも、コロナ禍で世界中が激動の年であったことが反映された結果だと考えられます。
また、1位の「グレー」は半数近くを占め、コロナの影響で先の見えない不安の中で、モヤモヤとした一年を過ごされた様子が伺えました。
そのことが、「黒」ではなく「グレー」であった一因でしょう。
「2021年はどんな色にしたいか?」
暖色の暖かさを感じられる「黄」・「ピンク」・「橙」が、3色とも「明るい年に」という理由で選ばれており、不安で過ごした昨年から、今年はコロナの終息を願い、
安心して暮らせる日常が戻ることを希望し、前向きに過ごしていきたいという気持ちが伝わってくる結果となりました。
また、興味深い点は、2020年2021年共に、「黄」が上位に選ばれていたことです。「黄」の持つイメージの2面性が感じ取られました。
調査研究委員会では、今後も様々なテーマで調査を行ってまいります。希望されるテーマ等がございましたらお聞かせください。よろしくお願いいたします。
紅色の薄い色で『山歌集』には「うすくれない」と記されています。
春の訪れを感じる桜の花は、明るいピンク色と記憶している人が多いのですが、
一般に桜として知られるソメイヨシノはもっと白に近い、彩度の低い色をしています。
このようによく知っているものの色で、記憶している色のことを「記憶色」といいます。
実際の色と記憶色にはズレがあることも多く、記憶色のほうが実際の色より鮮やかに感じていることがあります。
若草色は鮮やかな黄緑色で、若緑ともいいます。
平安時代からみられる伝統的な色で、色名の「若」には新鮮な、未熟な、新しいなどの意味があります。
そのため、1月~2月の襲の色目(かさねのいろめ)に使われ、若者向きの色とされたそうです。
フレッシュな感覚を呼び起こしてくれる若々しいイメージのカラーです。
紅色(べにいろ)とは、紅花を染料として染められる鮮やかな赤色。紅(くれない)とも呼びます。
平安時代の貴族文化で四季折々の変化を色彩として感じ取ってきた日本人が作り上げてきた配色法である
「襲の色目(かさねのいろめ)」でも使用されている紅色は日本の伝統色です。
CUS🄬表色系の赤(R)では青みを感じる赤を19R(ブルーアンダートーン)、黄みを感じる赤を20R(イエローアンダートーン)として分類しています。
浅葱色(あさぎいろ)とは、タデ科の植物である藍(蓼藍)で染める色で、葱の若芽にちなんだ浅い緑青です。
『源氏物語』や『枕草子』に記されており、平安時代からその名が見られる古くからの伝統色です。
藍染めは、藍の葉に含まれている成分を発酵させてつくった液に生地を浸して染めていきます。
藍は液の中では発色せず、空気に触れて酸化することで、色が生地に定着するという特徴があります。
染めて干してを繰り返すことで、濃淡を調節していきます。
弁柄色(べんがらいろ)とは、第二酸化鉄を主成分とする赤色顔料の弁柄からつくられる色です。
オランダ人がベンガル地方の赤土を持ってきたことからついたともいわれています。
日本でも古くから根付いている素材で、陶器や漆器、また防虫、防腐の機能性から
家屋のベンガラ塗料としても使用されてきました。
黄橡(きつるばみ)とは、橡はくぬぎの木のことで、その実であるドングリの煎汁を使って染めた色です。
この深いマスタードカラーは、パーソナルカラーでは「deep Autumn(ディープオータム)」の人に似合う色です。
このような深みのある暖かな色は、秋の季節を感じさせるしっとりとかっこいい雰囲気を演出しますので、
この時期に是非取り入れたいカラーですね♪
「まさお」とは「まっさお」と同じで、「とても青い」という意味の色名です。
『源氏物語』の末摘花(すえつむはな)では、顔の白さを強調する意味で使われている色名です。
ふと、空を見上げると真っ青な空が広がっていてとても清々しい気持ちになることがありますよね。
1日1回は意識的に空を見上げて気分をリフレッシュしてみてはいかがでしょうか♪
萱草色(かんぞういろ)とは、夏に百合に似た花をつける花色から付けられた色名で明るいオレンジ色です。
こんなに明るい色ですが、萱草色は平安時代の喪服の色でもあります。萱草は古くから「忘れ草」と言われたため、
別れの悲しみを忘れる意を込めて喪服として用いられました。
現在、喪服といえば「黒」が一般的ですが、黒い喪服が普及したのは明治時代になってからのことです。
梅雨が明けると、木々の葉が生い茂る季節がやってきます。
vv-1Yの伝統色名は鬱金色(うこんいろ)ですが、そんな時期にパッと目に入るのが、鮮やかな黄色の向日葵です。
この明るい黄色は脳を刺激して消極的な気分を一掃し、前向きな気持ちを引き出してくれます。
夏の暑い時期に咲く向日葵は、見るだけで暑さも忘れて明るく楽しい気分になれますね♪
6月の梅雨の時期の花といえば、紫陽花(あじさい)が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
紫陽花といえば青紫系の色のイメージがあると思いますが、実は土が酸性だと青紫系の色になり、
土がアルカリ性や中性だと赤系の色になります。
雨が続く梅雨の時期でも、紫陽花が美しく咲いているのを見ると心が癒されますね♪
エメラルドグリーンは、エメラルドのように冴えた緑色です。
エメラルドは、世界4大宝石のうちの1つとされており、5月の誕生石でもあります。
クレオパトラもエメラルドに魅了され、鉱山まで所有し、身に着けるだけでなく、砕いて化粧品としても使っていたと伝えられています。
エメラルドは、心を静めてくれるヒーリング効果や、目や神経を癒す効果があるとされ、古代から神聖な石として人々に愛されてきました。
爽やかな陽気の5月にぴったりのカラーですね♪
躑躅色は、つつじの花に見られるような鮮やかなピンク色です。
平安時代の襲の色目(かさねのいろめ)でも、「躑躅」は4月の衣装の色合わせとされてきました。桜が終わった後にくる活動的な季節の予感。そんなイメージのある色です。